今日は阪神・淡路大震災が発生してから22年となる日です。単なる年数としてではなく、私たちの人生に置き換えて考えてみると、どんなに長い年月だったのかと思います。生まれたばかりの赤ちゃんが立派な青年になり、大学生や社会人として溌剌と青春を謳歌するようになる迄の年月です。震災は多くの人々の人生をそこで終わらせただけでなく、遺族の方々のそれからの人生を大きく変えてしまいました。

 不動産事業者として、地震に対する備えをすることは、お客様を守り、会社の人的・物的資産を守るために、重要な経営課題の1つとして、日頃からよく考えて対応すべき事柄です。当社でも単独保有物件の耐震改修工事は全て完了し、区分所有物件でも早期の耐震性能強化実現に向けて他の権利者と協議を進めています。

現在、日本の建物は、建築基準法に定める、いわゆる新耐震基準に従って建築されています。1981年に改正された耐震基準により設計された建物は新耐震(建物)と呼ばれ、改正前の基準で建てられた建物は旧耐震(建物)あるいは既存不適格(建物)と称されるのが一般的です。新耐震基準の建物は、震度6強の地震が発生した時に、直ぐに建物が倒壊しないこと、即ち、建物内に居る人たちの屋外避難時間が確保できることが求められています。

新耐震基準の有効性は、阪神・淡路大震災や東日本大震災でも証明されましたが、昨年4月の熊本地震では、新耐震建物でも倒壊したケースが多くありました。その原因は諸説言われていますが、施工の不良、地盤の問題に加えて、震度7の揺れが2回襲ってきたことも挙げられています。施工の不良は人的要因ですが、地盤や揺れの回数は起こってみて初めて結果が明らかになるという不透明な要因でもあります。

法令の基準を守ることはもちろん必要ですが、それだけでは実際に大地震が発生した時に身を守れない状況も考えられるのです。それゆえ私たちは、仮に親族や友人に犠牲者が出ていなかったとしても、震災の時に何が起こったのか、どう行動した人々が身を守れたのか、あるいは命を落としてしまわれたのか、謙虚に学んで記憶に留める必要があるのです。

過去の大きな出来事を記憶することは、単に歴史としてではなく、今を生きる私たちのためでもあります。22年前の犠牲者の方々の死は、私たちが悲劇から学習し、教訓を活かすことで、決して無駄では無かったと捉えることができます。それは、日本でもわずか70

年ほど前まで繰り返されてきた、戦争による犠牲者の死とも共通している本質があると思います。死者の犠牲を無駄にするのか、しないのか、それは生きている私たち自身に、避けることの出来ない課題として問われていることであると思います。

(2016年12月の神戸ルミナリエの様子)

                (201612月の神戸ルミナリエの様子)