昨日、都内で開催された不動産会社経営者向けのセミナーに出席して来ました。今回のセミナーは、デマンド倶楽部という、北九州で幅広く事業展開している不動産中央情報センターグループで研修事業などを担っている会社の主催でした。同社のセミナーは実践的な内容でありながら理論面もしっかり押さえられていることから、私も機会あるごとに出席しているほか、これまでに、マネージャーや担当者向けの研修に社員を送っても来ました。

 今回の第1部は、「経営幹部に求められる意識改革」のテーマで、自身も不動産会社の経営者として長く活躍して来られ、今は全国をコンサルティング業務で飛び回っておられる、千葉裕大氏が語ってくださいました。講義の中で、最も印象に残ったことは、社長や役員、あるいは上級管理職といった経営幹部に、「嫌われたくない症候群」が蔓延しており、これを打破しなければ組織が強くなることも、会社が発展することも無い、という話でした。

 講義では、コンサルティングで全国の不動産会社から招聘され訪問した中で実際に経験されたエピソードが、実社名は伏せられていたものの、まさに赤裸々に語られました。ある会社では朝礼に出席したところ、会長、社長もいる前でふてくされたかのような態度を取っていた社員が目に留まり、自分の挨拶の順番が来たときに当人を指して、その態度は何だと叱り飛ばし、出て行けと怒鳴ったそうです。叱られた人物が出て行ったのかどうかまでは話が及びませんでしたが、恐らくは、腹の中では舌打ちをしながらも、表面上はすぐに謝罪したのではないかと思います。

 講義を聴きながら、私自身も、今まで社内で、言うべきことを飲み込んでしまったことが多々あったのではないかと反省させられました。確かに、叱るということは、する方もされる方も気持ちの良いことではありません。しかし、誰でも自分のことを常に客観視できる訳ではなく、改めるべきことは、往々にして人から言われて気づくものです。まして、会社という組織であれば、上司は部下の職務上の欠点やミスを是正する責任があります。なぜなら、それらを放置し続けるなら、当人だけでなく、やがてその部門あるいは会社全体の活力を失わせる結果になるからです。

 最近では、単に嫌われたくないという動機だけでなく、パワハラと糾弾されることを恐れて叱れないこともあるかも知れません。でも、これは叱り方の問題であって、理由も告げずにいきなり罵倒したり、何時間も立たせて責め続けるといった、相手の人格を全く尊重しないような方法がいけないのだと思います。そうではなく、なぜ叱るのか、その理由をきちんと説明した上で、是正を求めるべきことははっきり伝えるべきでしょう。要改善点を相手に明確に示したにも関わらず、是正に向けた姿勢が見られない場合には、これも経営者にとっては勇気のいることかも知れませんが、次元の異なるメッセージを伝えることも必要になる場合があると思います。

 世には多くのセミナーが溢れていますが、仮にそこで学んだ細かいことは大方忘れてしまったとしても、自分の行動に変化を促すような、印象に残る何らかのメッセージを受け止めることが出来たなら、その学びは有益であったと言えると思います。もちろん主催会社に関する何らの宣伝目的もありませんが、今回出席したセミナーは、私にとって、時間と費用を使った価値があるものでした。

(デマンド倶楽部「新経営塾」セミナー会場の様子)


               (デマンド倶楽部「新経営塾」セミナー会場の様子)